計算処理には「CPU」だけでなく「GPU」や「FPGA」、メインメモリーには「DRAM」や「3D XPoint」、ストレージには「ハードディスク」「NANDフラッシュ」「3D XPoint」――。現在、コンピュータの構成要素の選択肢が急増し始めている。

 10年前であれば、業務アプリケーションを稼働するサーバーコンピュータでは計算処理にはCPUを、メインメモリーにはDRAMを、ストレージにはハードディスクを使うのが当たり前だった。むしろ他の選択肢が無かった。

 しかし最近は様相が異なる。CPU、DRAM、ハードディスクという従来の定番ハードウエアの性能向上が頭打ちになり、定番以外のハードウエアを選ばなければアプリケーションの処理性能を向上するのが難しくなった。まず始まったのはストレージにおけるNANDフラッシュの採用だが、いよいよ計算処理やメインメモリーについても、定番以外の採用が不可欠になり始めている。

CPU以外に力を入れる米インテル

 象徴的なのがプロセッサ最大手である米インテルの動きだ。同社は既に、サーバーで利用する計算処理用のハードウエアとして、CPUである「Xeonプロセッサ」以外の選択肢を顧客に販売し始めている。2015年8月に開催した「Intel Developer Forum 2015(IDF 2015)」の技術セッションでは、同社データセンターグループのチーフアーキテクトであるアラン・ガラ氏が、アプリケーションの処理の種類(ワークロード)に応じたハードウエアの使い分け方を解説しているので、まずそれを紹介しよう。

 ガラ氏がCPU以外のハードウエアを使うべきだと例示したワークロードは、資源探査といった科学技術分野で使用する「超並列処理」のほか、「通信の圧縮」「ストレージの暗号化」「画像認識」だった。

 超並列処理のためには専用の「Xeon Phiプロセッサ」を、通信の圧縮やストレージの暗号化にはパケット処理に特化した専用ボードの「Intel QuickAssist」を販売している。また画像認識に関してはガラ氏は、インテルが2015年6月に167億ドルで買収すると発表した半導体メーカーである米アルテラのFPGA(Field Programmable Gate Array)が適していると述べた。

 もっとも、超並列処理にXeon Phiを、画像認識にはFPGAを推奨するというインテルの主張は、専用のGPU(Graphics Processing Unit)を販売していない同社の事情を反映したものだろう。GPUメーカーの最大手である米エヌビディアは、超並列処理や画像認識にはGPUが適していると主張している。実際に「ディープラーニング」を使用する画像認識では、エヌビディアのGPUを使用するのが一般的だ。

次世代不揮発性メモリー「3D XPoint」のインパクト

写真●3D XPointの構造
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 そして2016年以降には、コンピュータの使い方を大きく変える可能性を持った新しいハードウエアが市場に投入される。インテルと米マイクロン・テクノロジーが共同開発した新型不揮発性メモリーである「3D XPoint」だ(写真)。

 3D XPointはNAND方式のフラッシュメモリーと同様に電源をオフにしてもデータが消えない「不揮発性」を持つ。それにも関わらず3D XPointは、NANDに比べて1000倍高速で、データ書き換えの耐久性もNANDに比べて1000倍高いというのがインテルの主張だ。またメインメモリーとして使われているDRAMと比較すると、3D XPointは記録密度が10倍高いとする。

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