韓国の場合、セパレーターでは小幅のシェア増加の動きが見られるものの、正極材と負極材、電解液の各市場ではプレゼンスの低下が続いている。セパレーターはSK Innovation社が中国電池メーカー向けの供給を増やしているが、他の部材は引き続き韓国電池メーカー向けが多くを占める。

 内需が引っ張る形で成長してきた中国の電池/部材メーカーだったが、新しい動きとして世界市場への進出が目立ち始めた。これまで日韓メーカーが存在感を示してきた領域への侵食だ。特に注目したいのが、宁德时代新能源科技股份有限公司(CATL)である。

 同社は中国国内で数多くの現地自動車メーカーに電池セルの供給を獲得しつつ、ドイツBMW社のPHEV向け電池セルのサプライヤーにも名を連ねた。2016年9月には米国で開催された電池関連の展示会に大きなブースを構え、中国国外での電池生産に向けて意欲を見せた。

 「速いスピードで事業展開をしているものの、安全性や信頼性という観点からは改革すべき事項は少なくない」。元Samsung SDI社の佐藤氏がこう語るように、中国の電池産業界が抱える大きな課題は安全性の確保である。車載LiBで発火事故が起これば、xEV市場に冷や水を浴びせることになる。このため、「電池業界の信頼性をグローバルな視点で向上させることが重要」(佐藤氏)だ。

図4 中国・北京で走るEVタクシー
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 中国政府は、2020年までに新エネルギー車の累計販売台数を500万台まで増やす計画を掲げている(図4)。目標達成の可否は判断できないが、いずれにしても数百万台規模のxEVが生産される。これだけのxEVが生産されれば、中核部品であるLiBを供給する電池メーカーやそれを支える部品メーカーは、品質とコストの両面で鍛えられるだろう。

 これまで「安かろう悪かろう」とみなされてきた中国メーカーが、コストに加えて品質の面でも優位性を備えることになるわけだ。そして、中国メーカーの目は海外に向いている。競争力を持って、更なる成長機会を求めて海外市場に打って出てくるシナリオは容易に想像できる。