中国に抜かれるまで、LiB市場を引っ張ってきたのは日本である。日産自動車に電池セルを供給するAESCや米Tesla Motors社などを顧客に持つパナソニックが生産量を拡大させ、2014年までは容量ベースでトップであった(図2)。

図2 パナソニックの車載電池セル
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 2015年は、各国の環境規制の厳格化などを背景に、日系メーカーのセルを搭載したxEV車種の販売増を受け、日本の車載用LiB生産量は前年比約33%拡大した。しかし、中国セルメーカーの生産量が爆発的に伸びたことで日本は世界シェア2位になったと推計する。

 韓国は、LG Chem社やSamsung SDI社、SK Innovation社の大手3社が揃って生産量を拡大させ、2015年は前年比153.2%で推移したと見られる。従来、韓国の電池メーカーは欧州や米国自動車メーカーへの供給に注力してきたが、今後の市場拡大が見込まれる中国での販路拡大を図るべく、中国にセルの生産拠点を設け、xEVの乗用車及びEVバスメーカー向けに営業活動を活発に行ってきた。

 しかし、中国政府が3元系セルを搭載したEVバス向け補助金の支給を中止し、車載用電池模範規準認証も得られなかった。このため、中国でのセル事業は伸び悩んでおり、結果的に韓国の世界シェアは下落したと推測している。

 中国でのセル事業が苦戦している中、LG Chem社やSamsung SDI社は既存の主要顧客である欧州自動車メーカーとの協業体制を更に強化している。LG Chem社はポーランドに、Samsung SDI社はハンガリーに、それぞれセルの生産拠点を新設する計画を進めている。