マツダ パワートレイン開発本部エンジン性能開発部の森恒寛氏
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ナチュラル・サウンド・周波数コントロール導入なしの場合、エンジンの加振力と共振に燃焼加振力のピークが重なってノック音が高まっている。
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ナチュラル・サウンド・周波数コントロールを導入したことで燃焼加振力の山を無くし、ノック音を大幅に低減した。
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ピストンとコンロッドの振動を実際に計測した加速度センサーを埋め込んだコンロッド&ピストン。
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ナチュラル・サウンド・スムーザーが組み込まれたピストンピンとコンロッド&ピストン。
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 運転者のアクセルペダル踏み込み量の加速度を、微分ではなく、より微細な「やく度」まで分析して取り入れているマツダ。しかしディーゼルエンジンでは絶対的なトルクが大きく豪快な加速が味わえる反面、圧縮比の高さやブースト圧の高さなどの要因から、どうしても加速時の反応が鈍い傾向にあった。

 それを解決し、より運転者のイメージ通りの加速を実現するため、同社が2016年7月に部分改良した「アクセラ」で導入したのが「DE精密過給制御」である。このDE精密過給制御について、パワートレイン開発本部エンジン性能開発部の森恒寛氏に話しを聞いた。

 「ディーゼルはガソリンよりエンジンの応答性が鈍い分、ターボになってもどうしても反応の悪いところが出てきてしまいます。しかし、これを何とかできないかと考えました。その結果、加速要求があってもEGR(排ガス再循環)が排気ガスを取り込んでしまうためにタービンの立ち上がりが悪いことが判明しました。そこで、EGRバルブの動きを速くして、加速要求が合った時には従来より鋭くEGRバルブを閉じるようにしました」

 従来のEGRバルブのまま、制御を変えることで実現したと言うが、EGRを閉じればその分新気は取り込めるものの、それではNOxが増えてしまって排ガスが問題となることはないのだろうか。

 「EGRを閉じて新気を入れて加速させるのでNOxがあがることになるんですが、動きを早めるだけで完全には閉じませんし、ブーストが立ち上がった後は徐々にEGRを取り込むので実際には排ガスにはほとんど影響がないんです」

 想像で決め付けてしまってはいけない、ということか。実際に試乗してみると、確かに以前の「22XD」では一瞬のタメのような空白の後に強力な加速力を発揮していたところ、部分改良後はより自然に加速力が立ち上がる。相変わらず加速力は強力だが、反応が鋭いというより扱いやすさが増した印象だ。

 ところで詳しい説明をしてくれた森氏は、ディーゼルはディーゼルでも専門はディーゼルエンジンの騒音対策。ピストンピンにダイナミックダンパーを仕込んで打ち消すナチュラルサウンドスムーザーを開発した人物である。このスムーザーを開発するきっかけになった出来事が、また面白い。

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