前回に引き続き、マツダが2017年4月に発表した広島大学、東京工業大学との共同研究に関する自動車ジャーナリストの高根英幸氏のレポートをお届けする。共同研究の内容はカーボンニュートラルな微細藻類「ナンノクロロプシス」由来のバイオ燃料を開発しようというもの。マツダと大学の役割分担や今後の見通しを聞いた。

 マツダは広島大学、東京工業大学と、次世代自動車向けにカーボンニュートラルな液体バイオ燃料の研究開発を進めている。2017年4月に同大大学院に共同研究室を設置しており、担当教授である広大大学院理学研究科次世代自動車技術共同研究講座・藻類エネルギー創成研究室の坂本敦教授、同研究科数理分子生命理学専攻分子遺伝学研究室の山本卓教授らに、前回に引き続き、話を聞く。

広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻分子遺伝学研究室の山本卓教授
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液体燃料向きの油脂を質量の6割も溜め込む「ナンノクロロプシス」

 共同研究の対象として選んだ微細藻類は「ナンノクロロプシス」。古くから魚の飼料として海水性の種が培養されてきた。増殖が早く、液体燃料向きの油脂を質量の6割も溜め込む。微細藻類の培養によるバイオ燃料生産には、最も向いている種だというのは想像できる。

培養中のナンノクロロプシスを顕微鏡で拡大した
黄色い部分が油胞、または油滴とも言われる油を溜め込む部分。
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 ただし実は、増殖段階では油脂を溜め込まない。窒素分の欠乏環境などストレスを与えると油胞内に油脂を溜め込んでいく。このため「増殖か油脂生成のどちらかを培養環境によって調整する必要がある」と坂本教授は説明する。

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