半導体製造に利用されてきたプラズマ技術が、医療を大きく変える可能性が出てきた。低負荷がん治療や、止血、遺伝子導入、再生医療に革新をもたらす。鍵を握るのが、低温大気圧プラズマ技術だ。その基礎から応用までを分かりやすく解説する講座を、日経BP社は技術者塾として2016年1月21日に開催する(詳細はこちら)。本講座で講師を務める名古屋大学 未来社会創造機構 教授の堀勝氏に、講座の狙いや受講効果、プラズマ医療科学のポイントなどについて聞いた。(聞き手は、日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

――プラズマ技術の医療応用が注目を集めていると聞きます。

名古屋大学 未来社会創造機構 教授の堀勝氏

 日本を含む多くの先進国が少子高齢化社会を迎える一方で、新たな科学が勃興したことで、世界に大きなビジネスチャンスが出現しています。それが、医療用低温大気圧プラズマです。キーワードは安全・安心、健康です。

 既存の科学や産業の枠を超えた破壊的イノベーションを起こすためには、未来社会へ大きな波及効果を与えるような科学現象の探索が欠かせません。その黎明期に先取りして科学現象の基礎を押さえておくことが、新産業を制する鍵だと考えています。これは、医療分野でも当てはまります。

 医療分野では現在、破壊的イノベーションを起こす可能性を持つ新たな科学現象の1つとして、低温大気圧プラズマの生成が注目されています。このような新しい学術領域を先んじて修得し、基礎から理解しておくことで、将来のビジネスをいち早く切り開くことが可能になります。

――低温大気圧プラズマに関する知識や理解は、今後ますます必要とされるようになるのでしょうか。

 巨大産業を牽引するのも、医療の進化を牽引するのも科学技術です。一般に、優位性のある革新的な科学現象が見いだされると、研究者人口は瞬く間に激増します。実は今、プラズマ医療用低温大気圧分野の発表数や研究者数は、プラズマ研究分野のみならず、医科学分野で急激に増加しています。今後ますます注目され、必要とされることは間違いないと思います。

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