電源の開発では、より上位レベルでのシステム設計が重要になってきた。だからこそ、電源単品レベルの制御設計をきちんと押さえておくことが、ますます重要になっている。そこで、日経BP社は「スイッチング電源制御設計の基礎」と題したセミナーを、技術者塾として2016年10月13~14日に開催する(詳細はこちら)。本講座の実践編(14日)で講師を務める財津俊行氏(オムロン 技術・知財本部 組込システム研究開発センタ 技術専門職)に、これからの電源技術者にとって重要なことや、今回の講座で特に力点を置いて解説する内容などについて聞いた。(聞き手は、日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

――電源システム分野の、この1年の技術・市場のトピックスをご紹介ください。

財津俊行氏(オムロン 技術・知財本部 組込システム研究開発センタ 技術専門職)

 エネルギー関係の電源が、注目を集めています。電池や、双方向関係の電源技術の発表が多くありました。また、パソコンだけでなく様々なアプリケーションにおいて、小型、高電力密度でしかも軽負荷時の効率が重要視されるようになっています。その結果、マルチセル(スタックの概念も含む)やマルチフェーズの考え方も重要になってきました。

 家電系やポータブル系では、低電圧・大電流に対してはヒステリシス制御がだいぶ普及してきています。

 この他、電源制御の話題ではありませんが、非接触給電(ワイヤレス給電)が技術議論の段階から普及へ進んでいると感じています。

――電源システムを開発する技術者にとって、今後のニーズに対応するために必要なことは。

 ハードウエア面(パワーステージ)では、さらなる小型化のためにGaNやSiCデバイスの高周波化が進み、トランスやインダクターも低ロス材や空芯コイルの導入が進むなど、大きく進化すると思われます。トポロジーとしては、共振コンバーター、ワイヤレス給電(非接触給電)回路は共通性があります。原理を理解し、様々な共振回路を使いこなしていけるようなスキルが重要となるでしょう。

 システム的には、電源単品としての制御システムから電池システムなど、電源の上位レベルでのシステム設計が重要になってきました。そのためにも、まずは、電源の単品レベルで各トポロジーに対する制御設計をきちんと押さえておくことが、ますます重要と思います。今回の技術者塾の狙いはここです。