次のビジネスにつながる先端の研究テーマを探す。そのために、世界の企業は学術情報をますます重視するようになっている。学術 情報・データベースを提供する企業にエルゼビア(本社オランダ)がある。「技術者塾 特別編」の「新事業の創造に効く 学術 情報・ビッグデータの生かし方」(2016年10月5日)に登壇する、エルゼビア・ジャパンカスタマーコンサルタント井上仁志氏が世界最大級の抄録・引用文献データベース「Scopus(スコーパス)」の特徴を語る。

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エルゼビア・ジャパン カスタマーコンサルタント 井上 仁志 氏

 グローバルな企業間の競争が激化している中、一歩先んじる研究開発、あるいは異分野への技術展開を行うために「学術情報」を有効活用したいという声が、世界の企業から聞こえてきます。「学術情報をもっと積極的に研究開発に活用していきたいのですが、何か良いデータベースはありませんか」「『Scopus』(後述)を使えば有用な学術情報を抽出できると思うのですが、何か良い方法はないでしょうか」といった当社への問い合わせが、ここ数年、業界を問わず急速に増えてきているのです。

 この背景には、知見や技術の多様化に伴い、従来の調査・分析だけでは新規ビジネスを創出するための有望な研究テーマを見つけにくくなっているという現実があります。そこで、「これまで一般的であった、主に特許情報を用いた分析だけでは、もはや同業他社との差異化を図ることは難しい。学術情報ももっと積極的に活用していこう」というトレンドが世界の産業界で生まれているというわけです。

 特許は、出願から公開まで原則として18カ月のタイムラグがあります。これに対し、受理される論文(学術情報)は、投稿から平均数カ月程度で公開になります。学術情報にはこうした速報性に加えて、本来持っている量的・質的メリットもあります。そこで、「世界中で発表される膨大な学術論文をできる限り早い段階で検索・分析し、有望な知見・技術を効率的に発掘できるデータベースが欲しい」というニーズが、世界の企業で高まっているのです。