――熱設計の今後のニーズに対応するために必要なことは。

 このような動的熱設計にはソフトウエア制御が関係します。これまでの熱設計にはソフトウエア技術者が関与することは少なかったのですが、熱がシステム動作に大きく関わる以上、モデルベースデザインの1アイテムとして熱を捉える必要が出てくるでしょう。

 高速性を要求されるモデルベースデザインにおいて熱を考慮するには、3D熱流体シミュレーションではなく、熱を同じレベルまで抽象化した1DCAEモデルが必要になります。しかし、複雑な熱移動をモデル化するには伝熱知識が必要であり、これらの技術蓄積が重要になると思います。

――これまでのセミナーにはなかった、新たに加わる内容があれば、ご紹介ください。

 今回も熱回路網法を用いた「熱のモデル化」のマスターにウエイトを置きますが、セミナータイトルの通り、動的熱設計の内容を多く取り入れました。温度や時間をモニターして発熱量を抑制したり冷却能力を高めたりする方法について、サンプル例題に基づいて演習を行います。

――今回、特に力点を置いて説明するポイントは。

 これまで説明した通り、動的熱設計がテーマになります。演習にはExcelサンプルプログラムを用いますが、動的モデルにはさまざまなExcel関数が使えます。こうしたモデル化手法をマスターしていただくことで、理論的な理解だけでなく、実務設計に役立てるテクニックを身に付けていただくことを目的としています。

――今回のセミナーは、どのような方々に参加いただきたいですか?

 熱設計は主に機械系技術者の仕事でしたが、動的な熱設計は電気系、制御系(ソフトウエア)技術者が広く関わらないとできない業務です。機械系設計者はもちろん、幅広い分野の技術者に参加いただきたいです。

――本セミナーを受講することで、受講者はどのようなスキルを身に付けたりできるか、ご紹介ください。

 伝熱工学の基礎を短時間で身に付けることは正直にいって難しいですが、電子機器の熱設計に必要な基礎式と、その組み合わせでさまざまな対象製品をモデル化する手法、Excelの関数を駆使して過渡熱応答、熱制御問題を解くための手法について身に付けることができます。Excelプログラムは持ち帰り可能ですので、製品設計に活用することもできます。