ワールドテック講師 元デンソー 愛知工業大学工学部機械工学科非常勤講師の皆川一二氏
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 大手企業の中で優秀だと言われる技術者が習得している品質手法を網羅する──。こうしたコンセプトで「技術者塾」が立ち上げた連続講座「品質完璧マスターシリーズ」。この中に「製品の価値を守る 「品質つくりこみ」と「自工程完結」の基礎」という講座がある。講師を務めるのは、デンソーの開発設計者出身で「品質リーダー」も経験した皆川一二氏。同氏によれば、トヨタ自動車グループ(以下、トヨタグループ)では、品質関連の講座を学ぶ際に最初に押さえるものがあるという。それは一体何だろうか。(聞き手は近岡 裕)

──「品質完璧マスターシリーズ」がいよいよ開講します。第1回の講座では、「品質のつくりこみ」と「自工程完結」について学びます。このテーマから学ぶ理由は何でしょうか。

皆川氏:製造業では、開発設計から生産、そして製品を市場投入するまでの工程があります。こうしたものづくりの一連の工程において高品質を維持するために知っておかなければならない「品質力」を身に付けるための講座が、品質完璧マスターシリーズです。最初の講座なので、シリーズ全体の礎、すなわち「品質力の基盤」とも言える内容となっています。

 シリーズ全体の受講対象者は開発設計と製造、品質保証に携わる技術者が中心ですが、第1回で取り上げる品質つくりこみと自工程完結というテーマは、製造業に携わる全社員(文系出身を含む)にとって非常に重要な内容です。それが証拠に、実はトヨタグループでは社員研修においてこれらのテーマを真っ先に学びます。

 この講座では2つの質問から始めます。

[1]品質とは何か?

[2]管理とは何か?

──です。理由は、これらは品質をつくりこむ、すなわち品質力を高める上で最も大切な内容だからです。極論すれば、これらを理解すれば、高い品質を守るために自分が何をすべきか、何を考えるべきかが分かるようになります。

 そして自工程完結は、[1]と[2](の回答)を満たすために、個々の技術者や社員が仕事において具体的にどうしたらよいかを示すものです。