プラーナー会長 栗山 弘氏
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 自動車のリコール問題や電機製品の市場クレームが日本企業を悩ませている。その原因の1つが「ばらつき」であると指摘するのが、「技術者塾」で講座を持つプラーナー会長の栗山 弘氏だ。同氏に公差設計、および幾何公差を習得する日本企業が増えている理由や、習得するメリットを聞いた。(聞き手は近岡 裕)


──公差設計と幾何公差の習得に関して今、自動車業界が積極的になっていると聞きます。何が起きているのでしょうか。

栗山氏:自動車のリコールがなかなか減りません。その原因について、多くの日本企業が「設計に課題があり、ものづくりの根幹である図面をなんとかしなければならない」と気づき始めたのです。結論から言えば、公差設計と幾何公差をきちんと反映させた「正しい図面」を作成していないことが、リコールを生む一因になっています。

 というのも、自動車のリコールや電機製品の市場クレームの大きな原因の1つが「ばらつき」だからです。実は、FMEA (Failure Mode and Effects Analysis:故障モード影響解析)やDRBFM(Design Review Based on Failure Mode)を実施して見つかる課題の5~7割がばらつきの問題となっています。これを解消するには、「正しい公差計算」を実施し、「正しい公差設計」を行った後、幾何公差で指示した「正しい図面」が必要です。ところが、これをきちんと実現できている企業や設計者は少ないというのが、今の日本の製造業の実態です。つまり、FMEAやDRBFMは実施していても完全解決に至っていないのです。

 自動車のリコール原因についてばらつきに言及する人はあまりいません。しかし、きちんと公差計算を実施して分析すれば、公差設計のまずさが一因であることが明らかになるはずです。