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図1◎マツダ代表取締役会長の金井誠太氏
 マツダ代表取締役会長の金井誠太氏が、日本科学技術連盟が主催する「第105回品質管理シンポジウム」(2017年11月30日~12月2日)の特別講演に登壇(図1)。これからのマツダの技術開発の方向について語った。将来的にも内燃機関(エンジン)を搭載したクルマが世界で大多数を占めるとの予測と、Well to Wheel(井戸から車輪まで)で見た二酸化炭素(CO2)削減を重視すべきとの認識を示し、マツダはこれからも理想を徹底的に追求したエンジンの開発を進めると語った。

 講演内容は以下の通り。

圧縮着火式エンジン

 マツダは、2017年8月に「サステナブルZoom-Zoom宣言2030」を発表した。美しい地球と心豊かな人、社会の実現を使命と捉え、クルマの持つ価値によって人の心を元気にすることを追求し続ける、という宣言だ。

 クルマはライフサイクル全体で、走行中以外にもさまざまなところでCO2を排出する。マツダは、CO2の排出量は走行中だけではなく、エネルギー資源の採掘から発電までを含めたWell-to-Wheelで評価すべきだと主張しており、その認識は少しずつ普及してきた。本来は製造時を含めたライフサイクルアセスメントで見るべきだと思うが、その算出には膨大なデータと労力を要するので現時点での導入は成り立たない。また、マツダは、法で定められた限定的な走行条件だけではなく、実用時の幅広い走行条件におけるCO2削減にも力を入れている。

 CO2削減の中心に位置付けるのは、20年後も世界の大半を占める内燃機関の「劇的な進化」だ。その1つのステップとして、世界の多くの技術者が挑戦してまだ実用化に至っていない「夢のエンジン」と言われているガソリンの圧縮着火式エンジンの量産化にめどを付けた。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの良いとこ取りをした「新種のエンジン」とも言うべきエンジンを「SKYACTIV-X」として2019年に市場導入を計画している(図2)。

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図2◎次世代エンジン「SKYACTIV-X」
世界初の「火花点火制御圧縮着火(Spark Controlled Compression Ignition:SPCCI)」を採用、スパークプラグによる点火を制御因子とすることでガソリンエンジンが追い求めていた圧縮着火をコントロールする技術により、燃費とトルクの向上を実現する。

 このエンジンとともに電動化も積極的に進めていく。クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)発電の地域や、政策上求められる地域には電気自動車(EV)も展開する。また、エンジンの一層の改良に加えて、ミドリムシや藻類を原料とした再生可能液体燃料の実用化の研究も行っている。

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