さまざまな思いが網の目のように入り組んだ介護業界を取りまとめ、2014年に「日本介護事業連合会」を創設した斉藤正行氏と、函館から日本を元気にする「函館黒船地域活性化協議会」を創設し若年層の呼び込みに成功している浅水耕太氏。地方創生と高齢化社会という日本の課題に取り組む2人には共通点も多い。尽きることなく広がる話題の中から浮かび上がってくるのは、これからの日本に必要な人材のマインドセットではないだろうか。
左から、斉藤氏、浅水氏(写真:加藤 康)
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三反田 改めてお二人にお聞きしたいんだけど、これまでもチャレンジと失敗があり、紆余曲折もすごくしてきたと思う。3、4年の付き合いになるけど、その間に当然いろいろな経験を積んでもいる。にも関わらず、二人とも言っていることが全然変わってないんですよね。日本を良くしたい、そのために今ここでこうしたいということを言っている。これは何か自分の中に1本軸のようなものがあって、一貫性が保たれているってことだと思うんだけど。

浅水 それは僕もすごく聞きたい。僕も絶対にブレないという気持ちでやってはいるけど、斉藤さんが取り組んでいる団体は、動きも多すぎるし扱うものも大きいし、ブレないでいられる理由を知りたい。

斉藤 それはもう、めちゃシンプルなんです。20歳の学生のころに、自分が将来どうなりたいかってことをすごく考えたんですよ。単純に金持ちになりたい、有名になりたいとかぱっと思いつくことは全部しっくりこなくて、考えているうちにだんだん人間って何なんだと哲学的なことにまで考えるようになって、学校にも行かずにひたすら考えていたわけですよ。

 そして考えに考え抜いたときに、ある意味“悟り”を開いたような瞬間が来まして。言い方は難しいですが、「僕が何のために生まれてきたかという問いに、ある意味答えはない」という単純な答えにたどり着いた。逆に言うと、「意味は自分で作るんだ」と。そこから、最終的な目標を、斉藤正行という男が最期、死ぬ前に振り返ったときに、他でもない僕自身の価値観と美意識に照らして、最高に「かっこいい男」だったと思える自分でいようと決めたんです。それで、僕自身が思い描く「かっこいい男」だとか「ダメな男」はこういうのだというのをひたすらノートに書きつづったら、僕の中で「2大かっこいい男像」ができまして。

三反田 2大(笑)。

斉藤 そう、2大(笑)。一つは単純で、とにかくどでかいことをやっている男が僕の中ではかっこいい、という単純な思い。もう一つは、どんなにすごい人でも、自分のことしか考えていないのはかっこ悪い。逆に誰かのために汗をかく、涙を流せる男がかっこいいと思った。だからもうそれだけなんですよ。それが自分の生きる意味と決めているから、ブレようもない。耕ちゃんがブレないのも同じなんじゃないかな。