材料の加工や計測などで活用されるパワーレーザ。大出力化によって、新たな市場を創出する効果も期待されている。パワーレーザについて特許出願動向を調査したところ、日本は半導体レーザなどの分野における出願件数が多く、世界的な技術競争において優位にあることが分かった。半導体レーザの中でも、紫外・青色などの短波長レーザ光を発振できる半導体レーザは各国が重要視しており、今後開発競争が激しくなることが予想される。日本は今後、現時点で有している半導体レーザの競争力を維持・強化しつつ、ユーザーニーズを的確にとらえた研究開発を進めることが重要である。

 パワーレーザとは、パルスエネルギーが大出力のレーザのことをいいます。近年、大出力化の実現によって、レーザピーニング、レーザフォーミングなどの加工技術や、レーザ光と媒質の相互作用から生成されるX線など量子ビームを用いた計測技術の産業化が可能になり、新たな市場を創出する効果が期待されています。

レーザピーニング=レーザ光を使った表面処理法
レーザフォーミング=レーザ光を使った塑性加工法

 このような背景の下、特許庁は「平成27年度特許出願技術動向調査」において、パワーレーザに関する特許出願動向を調査し、紫外・青色といった短波長レーザ光を発振できる半導体レーザなどの分野に日本の強みがあることなど、その実態を明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)はこちら)。同調査の主要部分を本稿で紹介します。

 図1に本調査の技術俯瞰図を示します。

図1 パワーレーザの技術俯瞰図
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 本調査で対象としたパワーレーザは、発振波長が200nm帯から10µm帯までと広い範囲にわたっています。加工・測定技術には、レーザ光から生成されるX線、量子ビームを利用した計測技術、レーザ光による切断・溶接などがあります。対象物は非粉体の金属、非金属無機材料、粉体材料、および軟質の有機材料などがあります。応用産業も、原子力プラント、建材、自動車、航空、情報通信、電気機械、創薬、外科・歯科、食品加工などと多岐にわたっています。

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