風力発電は、地球温暖化の問題から再生可能エネルギーが注目を浴びる中、その一翼を担う発電技術として各国での導入が進められている。中国では、中国政府の風力発電を含む再生エネルギーの導入促進政策のもと、風力発電導入量が急増している。また、中国政府により風力発電の開発課題が設定されており、発電効率、風力発電設備の低コスト化とともに、安全性、信頼性に関する技術開発が進められている。風力発電について、中国における特許出願動向などを調査したところ、主要中国企業と風力発電先進国である外国企業との開発の視点は共通であることがわかった。我が国企業などは中国企業より先行するため、継続的な技術開発、特許出願をすることが望まれる。

 風力発電は、地球温暖化の問題から再生可能エネルギーが注目を浴びる中、その一翼を担う発電技術として各国での導入が進められています。そして、風力発電の分野においては、中国市場が世界最大であり、中国企業の市場占有率が高くなっています。しかしながら、中国国内でいかなる出願人がいかなる技術分野において出願・権利化を図っているのか、いかなる技術分野において出願が増加しているのかなどの基礎データは分析されていません。平成22年度には、世界における風力発電分野の特許出願技術動向調査を実施しましたが、その後中国における風力発電の導入量の拡大がありました。

こうした背景から、特許庁は「平成27年度特許出願技術動向調査」において、風力発電の中国国内における特許出願動向などを調査し、当該技術の現状を明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)はこちら)。この調査の主要部分を本稿で紹介します。

 本調査で対象とした技術を図1に示します。本テーマでは、風力発電の風車の形式、ピッチ制御、ヨー制御、電力出力制御(系統連系するための出力制御を含む)、洋上風力発電設備の設置方式など、風力発電機が電力を製造するまでの技術を調査対象としました。なお、風力発電により製造された電力を接続する系統連系以降の範囲は本調査の対象範囲外です。

図1 風力発電の技術俯瞰図
出典:日刊工業新聞社「トコトンやさしい風力発電の本」、洋泉社「次世代エネルギーの基本からカラクリまでわかる本」、国土交通省「港湾における風力発電について-港湾の管理運営との共生のためのマニュアル-ver.1をもとに作成
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