メンタルの不調をアプリで改善する(page 2)

「こころの健康」にフォーカスした海外スタートアップ事例

2018/05/09 09:00
佐竹 晃太=内科医、キュア・アップ代表取締役

ハードルを下げ、早期の介入や支援に

 世界保健機関(WHO)は、世界のうつ病患者数は約3億人以上、そのうち年間約80万人が自殺していると発表しています。こうした状況を受け、2013年5月に行なわれた第66回WHO総会では、メンタルヘルス・アクションプラン(以下、アクションプラン)2013−2020が採択されました。

 アクションプランは、精神障害の予防、そして精神障害を有する人々の死亡率や障害を低減することを目標としています。2020年までに、世界の自殺死亡率を10%少なくするという目標を示し、その達成状況を期限までに行われる総会にて報告することとしています。

 米国の医療情報サービス企業であるWebMD社は、うつ病が適切な方法で診断されない場合、患者がアルコールや薬の依存症になる危険性を提示しています。うつ病になる前の初期段階で予兆の認識や適切な介入や支援があると、80%以上の患者はうつ状態から適切に対処できると考えられています。

 日本でも自殺者総数は3万人近くまで達しているとされています。近年でも、業務の負荷が原因となってうつ病を発症し、さらには自殺にまで追い込まれてしまった労働者の事例が大きく取りざたされたり、労災認定件数も大きく増加したりしているなど、その動きは関心を集めています。こころの健康はとても繊細で取り扱うのが難しい病です。

 今回紹介したような、スマートフォンアプリを使ってメンタルヘルスの不調を改善するサービスは、メンタルの問題で悩む人の負担の緩和や、そもそも治療に取り組むハードルを下げることができるのではないかと思います。早期の介入や支援の一助になるのではないでしょうか。日本でもモバイルヘルスを通したメンタルヘルスケアの取り組みが広がることを期待します。

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