武田薬品の子会社売却、外国人社長が決断した合理的理由

2016/12/01 00:00
金子 智朗=ブライトワイズコンサルティング合同会社代表

 富士フイルムホールディングスは武田薬品工業が約7割の株式を保有する試薬大手、和光純薬工業を買収する(2016年11月3日付日本経済新聞)。現在は両社の間で最終調整が進められているという。このニュースでは、買収する側よりも買収される側の武田薬品にちょっとした注目が集まっている。

 武田薬品が手放す和光純薬工業は研究用試薬の国内最大手で、iPS細胞(人工多能性幹細胞)に関する有望な技術も持つ。そのような重要な子会社を手放すだけでも驚きかもしれないが、それだけではない。関係者の目には「まさか和光純薬まで売るとは。外国人社長だからできることだ」(前出・日本経済新聞)と映っているようなのだ。

 和光純薬は1922年に武田薬品(当時は武田長兵衛商店)の化学薬品部門が分離し、武田化学薬品として誕生した伝統ある会社だ。株主には武田薬品のCEO(最高経営責任者)だった武田国男氏ら創業一族が名を連ねる。そのような創業家と深い関わりのある会社を売却できるのは、2014年に英GlaxoSmithKline社から迎え入れた現社長のクリストフ・ウェバー氏だからこそというわけだ。

 武田薬品が和光純薬を手放すことは、果たして外国人経営者にしかできない離れ業だったのだろうか。

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