KUKA Roboter社会長兼CEOのStefan Lampa氏
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 前編に続き、中国家電大手のMidea Group(美的集団)に買収されたドイツKUKA社の経営戦略について、「Hannover Messe 2016」におけるプレゼンテーションの内容に沿って紹介する。このプレゼンテーションが行われたのは買収の発表前だが、その内容はくしくも中国に関するものが多かった。

 前編に登場したKUKA社CEOのTill Reuter氏に続いて話をしたのは、同社グループのロボット事業会社であるKUKA Roboter社の会長兼CEOを務めるStefan Lampa氏だ。Lampa氏は、スイスABB社でGlobal Business Line ManagerやGlobal Product Group Manager for Robots & Applicationsなどの要職を歴任した後、2015年にKUKA Roboter社のトップとして迎え入れられた人物である

* Lampa氏は「Hannover Messe 2015」でもKUKAグループ経営陣の一員としてプレゼンテーションをしていた。

 Lampa氏は、今後の産業用ロボットの進化を促すものとして幾つかのテーマに言及した。同氏がまず取り上げたテーマは、中国である。Reuter氏も述べていた通りKUKAグループにとって中国は重要な市場だが、Lampa氏によればその中国市場で労働環境に大きな変化が起きているという。具体的にはスキルワーカーの不足や人件費の高騰などだ。これらは、KUKA社の産業用ロボット事業にとって追い風となるだけではなく、「ロボットそのものの絶対的な革新を促す」(Lampa氏)。

KUKA社は中国市場に大きな期待を寄せる
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 経済成長に伴って、労働集約型の生産体制からロボットを使った自動化へと移行するのは、先進国も通ってきた道である。ただし、中国での自動化がかつての先進国と同じように進むとは限らない。中国は、「世界の工場」といわれるだけあって自動化の対象となる部分は非常に多い一方で、ロボットへの投資余力が先進国と比べて潤沢にあるというわけでもないからである。そのような制約がいい方向に作用し、ロボットの新しい技術や活用法といったイノベーションを生み出すのではないか。Lampa氏は、そこに「絶対的な革新」の芽を見ているようだ。

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