「Industrial Internet」や「Industrie 4.0」の波に乗ってか、国内外のさまざまな企業が産業用IoTに関連した製品やサービスを相次いで打ち出している。その際、開発や事業のパートナーとしてたびたび登場するのが米Cisco Systems社だ。

 例えば、2016年4月にファナックがIoTによる工場の生産最適化プラットフォーム「FANUC Intelligent Edge Link and Drive system」(FIELD system)を発表したとき、その開発パートナーには、大手FA機器メーカーの米Rockwell Automation社や深層学習に強みを持つPreferred Networksと並んでCisco Systems社の名前があった(関連記事)。

「FIELD system」の記者発表会。Cisco Systems社からは、Senior Vice President IoT and ApplicationsのRowan Trollope氏(左から2番目)と、日本法人のシスコシステムズ代表執行役員社長の鈴木みゆき氏(同1番目)が出席した。
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 FIELD systemでは、工場内で稼働する機械やセンサーなどから集めたデータを工場の外(クラウドサーバー)に持ち出して分析・活用することも想定している。ファナック専務取締役ロボット事業本部長の稲葉清典氏は、「クラウドに情報を上げるだけだったら技術的にそれほど難しくないかもしれないが、セキュリティーを保ったまま、しかも工場の厳しい環境に耐えられるような信頼性の高いシステムを実現するためにCisco Systems社と協業することにした」と期待を寄せる。

NI社が2016年8月に開催したプライベートイベント「NIWeek 2016」でTSNのデモンストレーションを披露したときの様子。Cisco Systems社からは、Solutions ArchitectのPaul Didier氏(右から1番目)が参加した。
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 産業用IoTに向けたEthernetベースの次世代ネットワークとして開発や規格化が進む「Time-Sensitive Networking」(TSN)でも、Cisco Systems社は重要なポジションを担っている。2016年春、産業用IoTの普及・推進団体であり、同社が創設から携わっているIndustrial Internet Consortium(IIC)の「テストベッド」として、工場でのTSN活用を想定した実証実験が始まった(関連記事)。このテストベッドには、米国のIntel社やNational Instrument社、ドイツのBosch Rexroth社やKUKA社、オーストリアのB&R Industrial Automation社やTTTech Computertechnik社、フランスSchneider Electric社など、各業界の名だたる企業が参加する。その中でCisco Systems社は、高度なデータ処理を実現するネットワークスイッチの開発を中心に担当する(関連記事)。

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