「ロボット革命」という言葉がある。既存のロボットを高度化・知能化して用途を広げることがロボット革命なのだとしたら、それは物流の現場で真っ先に起きるのかもしれない。今、あるロボットベンチャーの存在感が物流業界で急速に高まっている。

 「MUJIN inside」――。2016年9月13~16日に東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2016」では、そう書かれたステッカーを付けた産業用ロボットが複数のブースで稼働していた。具体的には、村田機械とIHIのブースである。両社とも、物流業界の有力なシステムインテグレーターだ。

村田機械のデモンストレーション
村田機械のデモンストレーション
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IHIのデモンストレーション
IHIのデモンストレーション
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 MUJINは、ティーチング(教示)がほぼ不要なロボットを開発しているベンチャー企業である。正確にいえば、同社がロボット本体ではなくコントローラーだけを造っている。「逆運動学解析」と呼ばれる計算アルゴリズムに基づいたMUJINのコントローラーと、市販の産業用ロボット、3Dビジョンセンサーなどを組み合わせることで、本来ならティーチングをしなければ使えないロボットが、ほとんどティーチングをしなくても使えるようになるのだ(MUJINの技術に関する関連記事1関連記事2関連記事3関連記事4)。

MUJINのコントローラー
MUJINのコントローラー
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 村田機械とIHIは、いずれもMUJINのコントローラーによって制御しているロボット、すなわち「MUJIN inside」のロボットをピッキング用途のデモンストレーションに使っていた。自動倉庫に代表されるように業務の自動化が進んでいる物流業界において、さまざまな大きさや形状の商品を箱に詰めたり、箱から取り出したりするピッキング業務は、いわば完全自動化に向けた“最後のとりで”だ。

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