遠隔診療に頼らざるを得ないのもまた事実

 遠隔診療の今後の展開に注文を付けるなら、医師不足・偏在の対策につながる遠隔診療の整備を急ぐべき、と言いたい。3月に公表された「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書でも、医師偏在対策としての遠隔診療の推進(表2)が強調されている。その具体化へ向けた検討は、「医療従事者の需給に関する検討会」(写真1)に引き継がれており、5月以降、集中的に検討されることになっている。

表2 医師偏在対策として提示された遠隔診療の推進(医療従事者の需給に関する検討会に提出された資料から抜粋)
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 表2で注目すべきは、(2)の「地域のプライマリ・ケアを担う医師と専門医をつなぎ具体的な相談ツールとして利用でき、医師偏在対策にも資する」と明記されている部分。実践例(表1)の中にあった「地域プライマリ・ケア支援」や「専門医の支援、現地研修(同科支援)」が該当し得る。また、(3)の「オンライン診療支援」も、推進すべき対策となる。ビジョン検討会の報告書にあるように「医師と患者の間の空間的・時間的な制約を乗り越える」ことで、医師の業務の効率化も図れると期待できる。効率化が進めば、医師不足・偏在の解消にも貢献するだろう。

 医師不足・偏在が深刻化する中、政府は医師の大幅な増員はしない方針を堅持している。医師養成枠を広げても、実際に働く医師数が増えるのは10年近く先になるという事情もある。現状打破のためには、遠隔診療に頼らざるを得ないのもまた事実だ。

出典:2017年5月22日 日経メディカルOnline
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