パルスオキシメータの国際シンポへの誘い

今後の方向性を探る貴重な機会に

2015/09/23 00:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)
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 来月初め(2015年10月2~4日)、パルスオキシメータ・生体情報モニタ関連の国際シンポ「第4回“I am Pov”(Innovations and Applications of Monitoring Perfusion and Ventilation) 国際シンポジウム」が聖路加国際大学において開催される(オーガナイザーは同大学 特任教授の宮坂勝之氏が務める)。

 2011年に日本で開催される予定だった第3回は東日本大震災の影響で米国での代替開催になるなど、これまでの3回は海外で開催されてきた経緯があり、日本での開催は今回が初めて。我が国での開催は久しく待望されていたものであり、同機器群に関して関心のある多くの方々の参加を期待したい。

 パルスオキシメータは、医療機器の中では世界的にも利用の頻度が高まっている機器で、将来は健康機器への応用も期待されている。日本で発明されたにもかかわらず、事業化の面では米国企業などに遅れ劣っている。オリジナリティーを有する製品でありながら、なぜこうした状況を招いてしまったのか。

 これまでにも、本コラムをはじめ、多くの機会を通じて筆者なりには分析してきている。しかし、真の原因を突き止めるには、継続的な考察が必要だ。現実には、この製品を開発・製造している企業は日本だけでも30社程度あることも事実である。

 こうした現状を目の前にして、直接的な対応を図ることも重要だが、「パルスオキシメータ学」とも呼ぶべき基礎学問や開発テーマについて議論するのも、今後の方向性を探るうえでの重要課題といえる。

内容の濃さは特筆もの

 そこで、有意義な場となるのが、今回の国際シンポジウムというわけだ。3日間に及ぶシンポジウムの演題は、発明から40年余りを経たパルスオキシメータの歴史から現在の医療現場における貢献まで、一大絵巻を展開するような構成になっている。

 多彩なプログラム内容を見ると、本題の歴史、基礎原理、測定精度、規格・規制、新規開拓、商品開発、応用分野などの広い範囲を網羅している。さらには、関連のカプノメータ、NIRSをはじめとして、生体情報モニタへの展開といった視点からの幅広い演題が並ぶ。

 詳しい内容は、告知ページを閲覧していただくとして、ここでは注目点について書いておこう。何はともあれ、シンポジストに国内外の豪華な著名人が並ぶ点に圧倒される。主役としての発明者・青柳卓雄氏には、「発明の話」と「現況」の2コマが割り当てられている。

 また、青柳氏と僅差での特許申請で知られる山西昭夫氏(元ミノルタカメラ)は、世界初の指センサの考案者でもある。製品開発面での貢献者としては米国に譲らなければならないが、New氏(ネルコア社)とKiani氏(マシモ社)が、それぞれ初期製品化、新規ソフトウエア開発で有名だ。

 これまでも、パルスオキシメータについては、国内の学会などでも興味あふれる議論が展開されてきた。だが、パルスオキシメータとその周辺機器に集中して、これほど内容の濃いシンポに出会ったこともない、そんな感じがしている。

 参加をお勧めしたいのは、医療機器関係の開発・製造・販売に携わっている技術者やディーラーといった方々、医療現場でのCE・臨床医などである。特に、これから関連機器群の研究・開発を担う若い技術者などは、進んで参加してほしい。

 インターネットを通じて何でもわかってしまう、と思っていたら大間違い。世界のトップ技術者・事業管理者の生の声が聞けるチャンスを決して逃さないでほしい。