微小血栓の検出へ、あくなき挑戦が続く(page 2)

2015/09/01 00:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

「高い評価」のワケ

 「高い評価」と書いたが、なぜに?という理由を示しておこう。端的に表現するなら、これまでは「研究レベル」にあった課題を「製品化レベル」に引き上げたことに対する評価だ。

超音波センサー
クリックすると拡大した画像が開きます

 その製品開発の勘所を探ってみると、いくつか核になる基礎技術が埋め込まれていることが分かる。右の写真は、頸動脈に装着する超音波センサーである。このセンサーの小型化が実用機としてのキーポイントとなる検出部で、30分程度で微小栓子の有無をスクリーニング可能とした。

 さらにもう一つの特徴は、小型ゆえに「非侵襲」であることだろう。つまり、これまでは経食道エコーなどでしか検査できなかった血栓子の有無を、モニタリング機能に近い長時間にわたって追跡する能力を備えている。栓子の解析能力は、新規に開発されたソフトウエアに依存しており、30μ~50μmの微小栓子の検出も可能とした。

 なお、それ以下の10μ~30μmの栓子も射程距離においている。将来の課題に関していうなら、現状でのシミュレータ、すなわち標的とするべきファントムを作りだす装置がそこまで追いついてゆけず、この領域での検出精度を確かめる方法がないことだ。

 栓子以外のバブルは「ノイズ」という位置づけになるが、その弁別もソフトウエアにより可能とした点が注目される。現状のままでも、これまでにない機能を有しており、スクリーニングという面からの貢献度は、大いに期待できる。従来の血液検査や超音波検査でしか測定できていなかったパラメーターに関して、スクリーニングやモニタリング可能という光明が差し込んだともいえよう。近未来においては、さらなる臨床評価が進み、検出精度においても比類のない機器に発展するよう切に願っている。

お知らせ

ピックアップPR

もっと見る

記事ランキング