医療機器開発に関する近刊書籍が示唆する共通項(page 3)

2016/07/22 16:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

キッカケは偶然の「再会」

『生体情報モニタ50年』(久保田博南著、薬事日報社)

 最後に、やや宣伝にもなってしまうが、筆者が執筆した『生体情報モニタ50年』(久保田博南著、薬事日報社、2016年5月)に触れたい。本書では、生体情報モニタの歴史とこれからの展望を述べた。執筆の契機となったのは、1年ほど前に日経デジタルヘルスに掲載された「『生体情報モニタ』開発物語」という記事だ。

 この記事はドキュメント作家・福山健氏の執筆で、世界初の生体情報モニタMBM-40の開発経過などが描かれている。これを知った開発会社・日本光電工業から、「(世界初の生体情報モニタの)実物が神戸の麻酔博物館に現存する」という事実を知らされた筆者は、実に50年ぶりに「再会」を果たした。

 当時、本製品の開発に携わっていた筆者は、この偶然の再会を記録に残したいとの思いを持つに至り、それが本書執筆の契機となった。だが、それだけでは一冊の本にならないと考え、この半世紀に及ぶ、生体情報モニタの開発にちなむ歴史を時系列的に列記することにした。

 内容としては自伝的な要素を含みつつ、一つの医療機器としての商品開発過程を詳述した。今、日本固有のオリジナル製品が少ないといわれている業界としては、かなり珍しい開発サンプルということにもなる。しかも、このストーリーが現在進行形という継続性を有していることから、現在の産業界が抱える「ものづくり」「ひとづくり」の課題に対する参考資料となると願っている。

お知らせ

ピックアップPR

もっと見る

記事ランキング