“医療機器一斉点検”はありえない(page 3)

2016/07/06 00:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

そろそろ、真の簡略化の動きを始めないと

 医療機器と医薬品の根本的な違いについては、これまでも種々の場面で指摘してきた。中でも、その品目数の違いはもとより、それぞれの機器の多様性などから、一つの法律で縛ることの難しさも訴えてきた。

 今回の医薬品一斉点検の方式が医療機器には適用できないだろうと思うのは、申請書類にしろ、QMS文書にしろ、あまりにも膨大に膨れてしまって、もはやコントロール不全の状況にまで到達していると推定されるからだ。規制緩和の掛け声とは裏腹に、製造販売業者に対して、これほど膨大な文書類の管理と運用を求めても、「現実的には無理難題」であることが偽らざる実態である。

 もう一点だけ、現実を示しておこう。クラスⅡの「品目認証基準」というのが1000に近い数で発出されている。どれもが数十ページに及ぶ基準であるが、多くの共通項からなっていることが分かる。異なっているのは、品目の特性の部分くらい。それなら一層、共通項だけ抜き出して一つにまとめ、品目特性の部分だけを別にすれば、すっきりとした体形ができあがるはずだ。

 こんな話を書かなければならないことが残念だが、あまりに非能率的な規制体系は、根本的に見直さないといけない。法規制を複雑化することによって危惧されるのは、官民双方のコントロール不能状況だ。規制当局には一度、当事者側の実情を見てもらいたい。同時に、その問題点の回避策を講じ始めるときであることを認識してほしいものである。

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