“医療機器一斉点検”はありえない(page 2)

2016/07/06 00:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

QMS省令とQMS体制省令の重なり

 一つだけ具体例を示しておこう。

 薬機法での根本的な規制に関わる問題点として、日本の医療機器認証・承認体系が多重構造になっていることが挙げられる。認証・承認体系については、業許可(登録・届も含む)と品目承認(認証・届も含む)があるが、前者でいうなら、製造業・製造販売業・販売業・修理業など、個々の認可を取得する必要性とその管理には負担が多い。

 このうち、最も重要な業態である製造販売業を見ていくと、QMS省令とQMS体制省令、GQP省令に基づくがんじがらめの体制と運用が義務付けられる。QMS体制省令は、2014年11月から施行された薬機法で加わったことは記憶に新しい。ただし、それを説明する規制側の説明に、何がどうなるのかが分からなかったことも事実。おそらく、これをもとに運営・維持活動を遂行している実務担当者でないと、そのことの重大さが認識できまい。

 課題を浮き彫りにするため、「QMS体制チェックリスト」の実例を見てみよう。この11ページからなるチェックリストが新しく加わったと思えばいい。書いてあることの重要性は理解できるが、被規制者側の苦労を代弁するなら、これだけの作業が追加されたというわけだ。

 具体的に、クラスⅡの認証機器を保有するケースではこうなる。(1)QMS体制省令による監査が都道府県により実施された直後、(2)第三者認証機関からQMS省令に基づくサーベイランスなるものが立て続けに入る。「えっ、またなの?」ともいうべく“多重審査”に接して驚きを隠せない。

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