医療機器、QMS調査の実情を追跡する(page 2)

2017/05/15 05:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

製造販売業者内部では何が起きているのか…

 (関連記事)前回のコラムで、「医療機器回収」について、ほぼ毎日のように回収が発生している状況を報告した。たとえ製造販売業者側が、定められたQMSの中で運用していても、“完璧な製造・品質管理”が困難な現状が浮き彫りになった。

 これらはISO13485の認証を取得し、QMS適合性調査をクリアしていても、問題は別のところにあることを意味する。製造販売業者内部では法規制突破のための形骸化されたQMS体制や、形だけの品質マニュアルとなっているメーカーも少なからずあるのが現状だ。

 実際に行政サイドからQMS調査を受けた業者の話では、数日間の調査の上、重箱の隅を突くような調査や指摘の場面もあり、その労力が根本的に品質向上に寄与するのか疑問に感じることもあるという。

 厚生労働省は化血研問題を受け、QMS調査とは別に無通告による抜き打ち検査を強化している。だが、多くの企業が不正を企てようとしているとは考えにくく、承認書どおりに製造できていれば不具合は発生しないという考えには無理がある。QMS調査において指摘事項がなくても、また、承認書の内容どおりに製造していても医療機器回収は日々発生する。

 前回のコラムにも記したとおり、メーカー側は回収事例から本質的な原因分析と対策による品質管理体制が必要とされる。ミスの共通項は同業界、同一品目の製品に多いはずだ。

 一方で、行政側は最近の化血研問題にあるような「誤記」を大きく取り上げるような報道を誘発するのではなく、各個別メーカーでは知り得ない情報などから、同業他社で発生している不具合などをフィードバックできるような“本質的な改善”をQMS体制づくりのモデルとしていただきたい。第61条の適切なデータ分析を自らの手法で改善につなげ、模範を示すことが可能であろう。

 いくつか改善案を示したが、要は「調査のための調査」でなく、どうしたら「もっと良くなるのか」という視点からのガイドラインを示してほしいと願う。

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