病気と健康の境界を探る(page 2)

『ヘルスケアを支えるバイオ計測』に見る最新動向

2016/04/26 00:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

「血糖値」の簡易計測が焦点に

『ヘルスケアを支えるバイオ計測』(シーエムシー出版)
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 これまで、健康のバロメータとして利用されてきたパラメータに加え、最近、特に注目されているのが、血液を中心としたバイオマーカーへのアプローチだ。血液成分を分析し、物理・電気化学的な指標をもとに病気の診断をする手法はごく一般的に行われている。その上で、唾液や汗、涙液などの体液を分析する技術も数多い。

 これらの研究・開発をヘルスケアに生かす、いわゆる“バイオ計測”の実態が明らかにされつつある。この度発刊された『ヘルスケアを支えるバイオ計測』(シーエムシー出版)には、その最先端の研究内容が紹介されている。

 下表は、本書に紹介されている代表的な記事と著者名だ。明らかなのは、「センサー」のテーマが目白押しであることだ。もちろん、編集者側の意図としてそこに焦点を合わせたことは理解できても、読者側のニーズが反映されていることも見逃せない。特に、グルコースセンサーのテーマが圧倒的に多い。つまり「血糖値をいかに簡単に測定するか」という命題が近年の最優先課題だという認識を新たにする。

代表的なセンサーなどを『ヘルスケアを支えるバイオ計測』の目次から抜粋、発行元の許可を得て筆者が作成
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 もっとも、非観血で誰でも簡単に測定できる技術は、おいそれと事業化に到達できるようなものではない。ただ、これだけ世間が求めている技術なら、「近い将来必ず」という期待も大きい。

 これまで、ヘルスケアといえば脈拍数、血圧、運動エネルギーなどから「健康の正常値」を得ていた。しかし、これからは、そこに血中酸素飽和度や血糖度なども加わってくる確率が高い。それにより、より高度なヘルスケアが実現でき、その関心度が増進していくことも容易に予想される。病気になる前の健康の維持・対策のために生かせる計測技術の研究とその応用展開に期待したい。

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