リスクマネジメントの本質を問う医工連携(page 2)

東日本大震災から6年、今考えるべきこと

2017/03/06 10:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

取り組んだのはベンチャー企業

 この透析用輸液供給システムを支えている耐震装置は、ベンチャー企業のアイエル(石川喜久社長)が製造販売する「プロゲルⅡ」という製品だ。

 写真2はこの装置の拡大部分。ここが大型の生命維持装置を支えている。

写真2●プロゲルⅡ
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 プロゲルⅡの根幹技術となっているのは「粘着ゲルマット」と呼ばれる部材であり、この部分に耐震特性が宿る。対応荷重800kgを有し、耐震特性を具備する素材でもある。石川社長の話によれば、この耐震装置が付加されている機器は、全国で累計約4000台に及ぶ。6年前の悪夢の際にも、プロゲルⅡが装備されている装置の転倒事例は1件もなかったという。

 現在、多くの企業がハイテクを基に医療機器開発を目指す中、医療現場(臨床工学士)のニーズは、むしろローテクでも十分間に合う。アイエルも、これまでは主に臨床工学技士と共に現場ニーズの隙間を狙って商品開発をしてきた。最初の商品開発は、2000年頃騒がれた東海地震説により、「静岡県はいずれ大きな地震災害に見舞われる」という想定のもとに、病院内の医療機器の転倒防止器具を開発したのだ。最初は検査室のテーブル上の機器用に固定器具を作ったが、当時はそれほど関心を呼ばず、鳴かず飛ばずの売り上げだったという。だが、2005年に透析装置用の床固定器具を開発してからは、まず1社の採用を突破口に、少しずつ認知されたことで緩やかに全国に普及したのである。

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