激減する医療機器の第三者認証、その実態と原因を探る(page 3)

2019/02/26 06:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

認証基準は、自動的に厳しくなる

 前項で認証基準の「本質的な部分」といったのは、品目ごとの性能や機能に関わる項目のことであり、そこが認証基準としての主幹部分なのだ。ところが、この基準に取り入れられているJIS規格は、5年ごとの改正があるため、上記のそれぞれが2017年版になった。通常、国際規格であろうと国内規格であろうと、改定となると、規定項目が増加するわけで、その増加分が自動的に認証基準にスライド導入されてしまう。

 こうなると、すべての認証基準が上がり続けるという負のサイクルに突入してしまっているわけだ。さらには2018年より、新規規格としてのIEC62399「医療機器のユーザビリティ―」の作成が義務付けられた。本来、IEC、ISO、JISなどの性格は、すべての製品の「標準化」が主目的であり、これらは強制や規制の強化ではない。ところが、これらの諸規格を「認証基準」に取り込んだ瞬間に、「強制」や「規制」に変質してしまうのだ。本来、「国際規格・国内規格」の性質と、「薬機法」という「規制」とは直結していないはずだ。

 この問題は、どこかで歯止めをかけるか、十分な検討期間を設けるなどの対応が必要であろう。基本的に性質の違う「標準規格」を自動的に「認証基準」に直結してしまうのは、申請者側・審査者側にとっても混乱を招くだけの大問題である。もちろん、「認証」でない「承認」や「届け出」についても、その状況に変わりない。このまま、放置するなら、いずれ、メーカだけでなく審査機関も破綻してしまわないか、そんな心配がある。

 こうした点を考慮しても、第三者認証制度は曲がり角に来ている。この課題を見過ごしているだけでなく、本来の第三者認証制度のあり方について、抜本的な見直しが急務である。

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