激減する医療機器の第三者認証、その実態と原因を探る(page 2)

2019/02/26 06:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

課題噴出と混乱と

 もう少し冷静にこの課題の分析をしてみよう。2005年の改定で第三者認証制度を発足させた狙いの一つに、比較的リスクが少なくかつ大量に出回っているクラスII製品をさらに普及させることにあったと思われる。これらは一定の認証基準に合致しさえすれば、容易に認証され、いち早く市場に出回る条件を具備していた。つまり、汎用製品の類似品の拡大の推奨であり、それらの相互競争をあおることによって、「より使いやすく、役に立つ製品を世に出させる」、という目的があったと思われる。

 冒頭に、「狙いどおり」と書いたのはその意味で、2000件に及んだ最初の数年間がこの施策に合致していたといえよう。ところが、「薬機法」が浸透し始めた2015年ごろを境にして、認証品目数追加にも関わらず、認証数の急激な落ち込みとなってしまったのは、何が問題なのであろう。

 統計では出てこないので、申請数そのものの変動は我々の知りえない範囲にある。とはいえ、これだけ大幅な減少となったのには、何らかの隠された原因があるだろう。

 まず考えられるのは、JIST0106-1:2012「医用電気機器―第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項」に関する改訂および、JIST14971:2012「医療機器―リスクマネジメントの医療機器への適用」に関する改訂だろう。これによって何が起こったかというと、認証基準の「本質的な部分」は全く変わってないのに、実務上のタスクが大幅に増えたことになる。これは、認証する側とされる側の両者に多大な時間と費用を加算する結果となった。事実、認証申請前に、これらに伴う資料作成および試験期間などが倍増し、実際の審査期間前にこれらの準備期間が加算されてしまった。機器の性能・機能などの本質以外の「一般的な安全性」や「リスクマネジメント」といった側面で、大幅な規制強化を強いる結果となっている。

 また、新たに加わったプログラム医療機器の認証の中で、JIST2304:2012「医療機器ソフトウエア―ソフトウエアライフサイクルプロセス」の規制が加わっている。さらにソフトウエアのバリデーションなどの付帯作業も加わった。その書式(ひな型)の作成や仕組みの理解、社内外でのそれらに対する議論にも多くの時間が割かれることにつながった。

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