心臓の血液量を体表から測定(page 3)

生体情報モニタ分野に注目の製品

2016/01/27 00:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

史的な紆余曲折を経て、現在に

 ここまで書いて、もう一つ重要なことに気付いた。というのは、これまでの非侵襲的な心拍出量測定の方式の主流がインピーダンス法にあったという事実を思い出したからだ。前述のとおり、生体計測に関わるインピーダンス法の適用例は多数にのぼる。心拍出量もこの例外ではなく、国内外のメーカからの多くの製品もその例外ではない。こうした時系列的な状況から眺めてみても、インピーダンスそのものでなく、リアクタンスだけを抽出して「心拍出量」と結びつけたのは、画期的だというべきだろう。

 もう一つ、これに関わるエピソードを追加しておこう。非常に偶然とも思えるが、前回のコラムで青柳卓雄博士によるパルスオキシメータの創始に関わる記事を掲載した。実は、青柳博士のパルスオキシメータ発明に至った経緯が、まずは心拍出量計の開発を狙ったことに起因している。青柳博士の研究テーマとしては、当初、色素希釈法を利用したイヤーセンサーを使っていた。そこで検出した脈波信号から、心拍出量の測定を試みたのが発端だった。今になって考えると、それが全く別の「血中酸素飽和度測定」というパルスオキシメータの発明につながったことになる。

 心拍出量の研究はこうした歴史的な紆余曲折を経て、現在に至っている。その意味からも、今回の製品の上市は、生体情報計測史上のマイルストーンともなり、非常に興味深い。

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