自動運転車の開発に精力的に取り組む米Google社、スマートフォンを使ったハイヤー配車サービスを世界に広げる米Uber社も自動運転技術の開発に力を入れている。彼らはどんな未来を見通して、何を目指してこの分野に力を注ぐのか。自動運転に関係する内外約40の企業・研究機関の動向を調査し、自動運転車の普及予測、技術動向、産業・社会へのインパクトなどをまとめた「自動運転の未来2016-2020」(日経BP社)を参照しながら、新規参入企業の野望を読み解く。

IT企業の参入相次ぐ自動運転

 自動運転車の登場は、単に安全性の向上、交通渋滞の削減、運転の負荷低減といった、現在のクルマの機能延長線上にあるものではない。既存の自動車産業の基盤を根底から覆すものだと認識しておくべきだろう。だからこそ、米Google社や米Uber社といった、IT(情報技術)に基盤を持つ企業が相次いで参入してきているのだ。

 そのGoogle社の狙いは何か。「自動運転の未来2016-2020」で企業・研究機関の自動運転への取り組みを調査したEYアドバイザリーは、自動運転車自体を利用したサービスでGoogle社が注力しているのは、無料送迎タクシーであると推測している。これは、Google社のオンライン広告を見て実店舗へ向かう顧客に対して、無料もしくはディスカウント料金の自動運転タクシーの送迎サービスを提供するものだ。

 広告を見たユーザーに対してタクシー料金を割り引くこのサービスに関して、Google社は2014年1月に米国の特許庁から特許を既に取得しており、自動運転車プロジェクトメンバーがその申請者であったとされる。

 特許資料にはeクーポンの画像イメージが掲載されており、スマートフォンに表示された「ランチを注文したお客様は前菜50%引き」というeクーポンの下に、「無料送迎タクシーサービスあり」と書かれている。ユーザーがその下にある「GET ME THERE!」と書いてあるボタンをクリックすると、Google社のタクシーがユーザーのところまで出向いてユーザーをレストランまで送り届けるという仕組みだ。

Google社の特許資料に記されたeクーポンのイメージ。US8630897 B1、「Transportation-aware physical advertising conversions」より。出願日は、2011年1月11日
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