IoT、センサーの高度化でよりリアルに

 健康状態のスコア化/可視化には様々な手法が検討され、その手法を用いた健康管理サービスは多分野で活用されていく(図2)。サービス事業者と自治体や企業との連携によって、住民、従業員などの健康保持・増進を支援するコラボヘルスの推奨に展開されていく。例えば、最も普及している歩数計や活動量計などの健康管理機器を活用して、疾病予防に向けた目標歩数を設定し、それをスコアやアバターで管理する新たなサービスなどが考えられる。

図2 健康状態のスコア化/可視化のロードマップ(図:筆者)(日経BP社『テクノロジー・ロードマップ 2017-2026 <医療・健康・食農編>』)
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 ダイエット向けサービスでは、本人が希望する体重や継続期間、1日我慢できる摂取カロリーから目標歩数を算出し、設定したダイエットプログラムを継続実行した後の姿をアバターで提示して目標を可視化するなど、ユーザー個別に適合した目標を提示するサービスが始まる。IoT(モノのインターネット)を活用し、各種バイタルサイン(生体情報)計測センサーとの連携による既存サービスとのシステム統合も進むだろう。

 個人の認証で非接触ICカードとの連携も進む。例えば、既に普及している「FeliCa」方式の非接触ICカードと連携することで、サービスを利用するためのIDやパスワードを不要にできる可能性がある。こうした環境整備が進めば、セルフケア健康管理サービスは万人が受け入れやすく使いやすいサービスとなるだろう。様々なバイタルセンサーの小型化が進むことで移動型の計測サービスに対応できるようになり、健康状態のスコア化/可視化サービスはさらに普及が進むことになりそうだ。もちろん、得られる個人情報の扱いには注意が必要となる。実績のある既存サービスとの積極的な連携によって、セキュリティーを担保する動きも活発になるだろう。

 アバターの作成技術では、撮影システムの小型・軽量・低コスト化およびソフトウエア開発環境の整備(クラウド対応、データ処理の迅速化)が進み、よりリアルなアバターを誰でも扱えるようになっていく。クラウドサービスを活用することで、セキュリティーや保守を含めたコストを最小限にしたサービス展開を実現しやすい環境が健康情報のスコア化/可視化のサービスの普及を後押しする。

 健康状態のスコア化/可視化サービスは、地域の住民を対象とした自治体によるセルフケアプログラムとして、全国各地で展開されていくことになるだろう。従来にはない継続的な利用を促す新たな普及促進ツールとして幅広い展開が期待できる。

 健康診断の受診率と医療費は相関があり、医療費削減に取り組む自治体では、いかに受診率を上げることができるかが重要な課題となっている。これまではなかなか受診率が上がらないような状況だった。そのような中、上記のようなアバターを活用した目に見える形のデータ計測を併用することで、日頃の健康に対する意識を上げ、結果的に受診率を高める効果が期待できる。