住宅市場冷え込みをソーラーの真の価値は救えるか?

 さらに、住宅用などの分散型太陽光発電の普及に重要な役割を果たしてきたネットメータリング制度の改正についても、大きな話題となった。同制度の改正に伴って、各州の大手電力会社は電気料金改定の行政手続きを進めている。改定には、住宅用太陽光設置者に対し、グリッド使用料として基本料金への上乗せ、デマンド・チャージ、そして時間帯別の料金制度の導入などが考慮されている。どれ一つ取っても、太陽光発電オーナーには経済的に不利になる。

 デマンド・チャージは「最大需要電力」であり、従来は商業・産業用需要家に課金される制度だった。現在、それが、住宅用に検討されている。米Lawrence Berkeley National Laboratory研究所でリサーチサイエンティストであるGalen Barbose氏は、セミナーで「太陽光発電がデマンド・チャージを下げ、電気料金削減に貢献できる可能性はとても低い」と語った。

 その理由は、ホームオーナーの最大需要時は主に夕方や早朝に起こり、太陽光発電のピーク発電時が最大需要のタイミングとマッチしないからだ。Barbose氏によると、アリゾナ州の電力会社Salt River Project社は2014年末に住宅用にデマンド・チャージ課金制度を導入した。その結果、太陽光発電の系統への接続申し込み数は、2014年第4四半期の3565から2015年第1四半期には64と大きく下がってしまった。

 ネットメータリング制度の改正、または廃止、さらに太陽光発電導入にとって不利な電気料金の改定が検討されている中、「太陽光の価値(Value of Solar)」の評価法がニューヨーク州などで今、注目されている。太陽光発電の価値は単なるシステムコストからなる発電単価だけではなく、送電ロスがない、燃料を必要としない、二酸化炭素を排出しない、地域雇用への貢献など、経済、環境、そして社会的益(付加価値)も換算されるべきというものである。

 太陽光の価値がネットメータリング制度に代わり今後の住宅用市場を促進するには、現在の小売価格以上に評価されなければならない。しかし、複雑で膨大なデータを必要とする評価法は、導入に至るまで長い時間がかかるかもしれない(図4)。

図4●今後の米国市場の期待と不安に関して活発な討論(出所:Solar Energy Trade Show)
[画像のクリックで拡大表示]