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EVで「ダックカーブ」解消、系統蓄電池への投資を回避(page 3)

双方向制御で日中の太陽光発電を充電し、夕方ピーク時に放電

2018/07/26 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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5GWのEVは150億ドルの蓄電池投資に匹敵

 分析によりと、シナリオ1の場合(青線)、現在から2025年までに導入されるEVは、帰宅後など現在と同様、制御されずに充電される。この場合、ダックカーブに対してあまり緩和の影響を及ぼさず、EVのグリッド統合への大きな機会を失ったことをなるとしている。赤線はEV導入を考慮していない従来のダックカーブを示す。

 シナリオ2(緑線)では、EV充電を帰宅後の夕方でなく日中に会社などで計画的に充電することで、出力抑制が必要な太陽光発電からの余剰電力を充電し、電力系統の需給バランスを改善できる。これは、1GWの定置型蓄電池を14億5千万ドル~17億5千万ドルで導入するのに匹敵するという。

 さらに、シナリオ3では(黒線)、EVが夕方のピーク時に電力を電力系統に放電する場合、約5GWの日中の供給過剰・夕方のピーク需要を削減できる一方、ランプアップとランプダウンを現在のレベルに維持できることになっている。これは、 128億~154億ドルの定置型蓄電池導入にかかる投資額に匹敵するという。

 5GWのEVによる系統運用者向けサービスは、カリフォルニア州が義務つけている1.3GWを大きく上回っている。

 EVはクリーンな系統をサポートするだけでなく、定置型蓄電池にかかる投資を回避でき、定置型蓄電池用の投資をさらなるクリーン車の導入加速に向けるべきだ、というのが同レポートによる分析結果になっている。

 今回のレポートは、太陽光を大量に導入する上で、EVの果たせる大きな可能性を示しているが、逆に言えば、米国で最もEVが導入されているカリフォルニア州といえども、まだまだZEVの導入が進んでいないことを示している。その導入量は、州目標の約5分の1に留まっている。

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