大手メーカーの増産計画は合計4GWに

 中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、米国内で生産していた太陽電池メーカーは収益性が悪化し、次々と事業から撤退、または破綻に追い込まれた。日本メーカーの京セラはカリフォルニア州、シャープはテネシー州、そして旧三洋電機(現パナソニック)はオレゴン州に2010年前後に建設された米国内での生産事業から撤退している。

 太陽光発電の導入容量では、米国市場は中国に続き世界第2位の規模を誇るものの、供給面でみると世界に占める割合が微々たるものとなっている。

 国内製造業を保護するため、トランプ政権は今年1月、結晶シリコン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して4 年間にわたり関税を課すことを決定した。トランプ政権による関税措置の発表後、複数の大手メーカーが米国内での生産拡大を表明した。これら企業の新設・増設計画を合わせると実に4GW近くに達する。

 今年5月末、韓国のハンファQセルズがジョージア州ウリットフィールド郡に太陽光パネル生産工場を建設すると発表した。今年中に着工し、来年2019年に新工場が完成する予定だ。完成時の生産能力は年間1.6GWを超えるという、大規模な計画である。

 他の海外メーカーで米国進出を表明したのは、世界トップのパネルメーカーの中国ジンコソーラーである。同社はフロリダ州ジャクソンビル市に5000万ドルを投資して工場を新設する。 新工場の稼働は今年9 月か10月前を目指している。実は、ジンコソーラーは関税措置の発表前から米国での生産開始を計画していたという(図1)。

図1●メーカー別・太陽光パネル(モジュール)の米国内での生産計画
(注:増設は現在の生産容量に足される増産容量を示す、出所:筆者)
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