「オフサイト」型が増加

 米アップルは4月、同社グループの全世界の事業運営で消費する電力に関し、「再生可能エネルギー100%」を達成したと発表した(関連記事・前半)。

 同社の凄さは、まず「RE100」(再エネ100%)の「近道」と呼ばれる環境価値のみの調達に依存しなかったこと。そして、電力規制下の州で再エネ導入に消極的な地域独占電力会社とパートナーシップを組み、自らメガソーラー(大規模太陽光発電所)を開発し導入を成功させたことだ。

 RE100を目指すリーディング企業が取り組む達成手段として、自社の敷地や建物に太陽光発電設備を導入する「自産自消」的な方法がある。アップルは、現在「リング」と呼ばれるスペースシップのようなガラス張りの新オフィスビルに連系出力17MWのルーフトップ(屋根置き)の太陽光発電システムを導入している(図1)。

図1●アップルの新オフィスビル「リング」に設置された太陽光発電システム
(出所:Apple)
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 しかし、同社のように大規模なデータセンター事業を展開する場合、敷地内のオンサイトシステムだけでは到底、膨大な電力需要を賄えない。そこで「オフサイト」と呼ばれる、電力需要地ではない場所で発電した電力を調達する契約が増加している。

 米国立再生可能エネルギー研究所 (The National Renewable Energy Laboratory: NREL)によると、企業のオフサイト型の再エネ調達方法には、(1)独立系発電事業者(IPP)との電力購入契約 (PPA)、(2)電力小売会社の選択(グリーンエネルギー新電力への切り替え)、(3)電力会社とのパートナーシップ、そして(4)卸電力販売のライセンス取得――の4つがある。

 しかし、この4つの調達方法をどこでも採用できるとは限らない。日本では電力小売市場が全国レベルで自由化されているが、米国では州別になっており、現在、電力小売りを自由化しているのは全米50州のうち13州だけである。規制下の州で大規模な再エネを導入したい場合、「グリーンエネルギーを販売する新電力にスイッチする」、「メガソーラーを開発するIPPと契約して直接、再エネを調達する」などの選択肢がないのだ。