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アップルとサプライヤー、稼働と開発中で「再エネ5GW」(page 3)

自社で「クリエイト」する再エネでさらなる前進

2019/05/10 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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ウォルマートは「クリエイト」せず

 日本では全国一斉に電力小売りの全面自由化が進められたが、米国では州によって異なる。電力小売市場が複雑な米国では、電力会社、または独立電力事業者などから再エネを購入するのが、一般の企業にとって手っ取り早い。 ただ、再エネ導入に消極的な地域独占電力会社が幅を利かせる電力小売り規制下の州では、需要家が再エネを調達する方法は限られている。

 さらに、電力需要のある自社の事業所や工場の屋根上、または敷地内に太陽光発電システムなどの再エネ設備を導入して消費する「自産自消」型の場合、設備導入の初期コストが大きくなるうえ、データセンターなど膨大な電力消費施設を運営するIT企業では、自社施設での設置スペースに限界があるなどの問題もある。

 世界最大級のスーパーマーケットチェーンの米ウォルマートは、2005年から店舗に太陽光発電を導入し始め、昨年4月時点で371の拠点(店舗と流通センター)に計149MWの太陽光発電を導入済みである。各システムはその店舗の15~30%の電力消費量を賄う。同社はこれらのシステムを所有せず、「第三者所有モデル」を採用し、プロジェクトデベロッパーが設備を開発・所有し、 ウォルマートが電力購入契約(PPA)のもとで自社の敷地で発電された電力を買い取る。システム開発と発電事業には関与せず、需要家のスタンスを保っている。

 これに対し、アップルの場合、「再エネ100%」達成のため、発電と電力供給にも踏み込んだことになる。

 電力小売り規制下にある東海岸のノースカロライナ州で、 2011年アップルのデータセンターを「再エネ100%」で賄うため、再エネの開発・利用を促進するために制定された連邦法制である「公益事業規制政策法(PURPA: Public Utility Regulatory Policy Act)」を活用し、3サイトの太陽光発電所を建設し、同社が100%所有した(図3)。

図3●アップルがデータセンター用にノースカロライナ州に開発したメガソーラー
(出所:Apple)
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