中国メーカーは生産拠点の移転で関税回避

 米国政府は、輸入太陽電池製品が国内市場に損害を与えたとして、2012年、2014年、そして今年にも貿易措置を導入した。2012年は、米国際貿易委員会(ITC)が中国製の太陽電池に対し5年間の反ダンピング関税(AD)と相殺関税(CVD)の適用を決定した。

 これらの課税後、多くの中国モジュールメーカーは台湾製のセルを使用することにより、関税を回避した。この抜け道をなくすため、 2015年には、ITCが ADと反補助金関税の対象に台湾の太陽電池製品を加えた。

 さらに今年1月、トランプ大統領は、結晶系シリコン太陽光電池製品の輸入に対して「セーフガード措置」の発動を決定した。 セーフガード措置は、ADなど他の貿易救済措置とは異なり、原則的にすべての貿易相手国からの輸入が対象になる。

 この背景には、米国政府が、中国製太陽電池製品に対してADやCVD措置を適用したものの、中国メーカーが生産拠点を国外に移転し、これら関税を回避してきたことがある。今回のセーフガードは中国メーカーの関税回避行為に対抗したことになる。

 世界貿易機関(WTO)には、新興国の経済支援を目的とし、新興国からの物品に特別に安い関税を設定、または関税そのものをかけない一般特恵関税制度(Generalized System of Preferences:GSP)と呼ばれる措置がある。タイとフィリピンはGSP特恵措置の対象国になるが、今回のトランプ大統領の決定では、米国への結晶系シリコン太陽光電池製品の総輸入量の3%以上を占めるセーフガード措置の適用対象とした。