“Nスペ・アタック”に感じた医療報道の難しさ

2016/12/05 05:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 11月のある日曜日の夜。日経デジタルヘルスのウェブサイトのページビューに、異変が起きました。1年以上前に掲載したある記事のページビューが突如、急増したのです。

 それは、国立がん研究センターが製薬企業や全国の医療機関と共同で取り組むプロジェクト「SCRUM-Japan(スクラム・ジャパン)」を取り上げた記事でした(関連記事1)。ページビュー急増のきっかけはその晩に放送されたNHKスペシャル「“がん治療革命”が始まった~プレシジョン・メディシンの衝撃」で、SCRUM-Japanが取り上げられたことでした。

 番組への反響はかなり大きいものだったようで、国立がん研究センターのホームページには「11月20日、23日に放送されたNHKスペシャルについて」と題し、番組の内容について「現在多くのお問い合わせをいただいており、電話がつながりにくい状況が続いております。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承ください」と記載されています。

 「SCRUM-Japan(スクラム・ジャパン)に参加するには、主治医に相談するか、お近くのスクラム・ジャパンに参加している病院まで、スクラム・ジャパンに参加したい旨、お問い合わせください。ただし、臨床試験に参加するには条件があり、必ず参加できるとは限りません」。こんな記載もありますから、患者やその親族から「自分(または親族)もSCRUM-Japanに参加できないか」といった問い合わせが殺到したと想像されます。

 日経デジタルヘルスでは最近、人工知能(AI)の医療応用に関するニュースを取り上げる機会が増えていますが、AIに関しても似たような状況が起きています。今夏、「ワトソン(IBM Watson)」が白血病のタイプを10分で見抜き患者の命を救った、との報道が話題となりました。この成果を明らかにした東京大学医科学研究所にも、SCRUM-Japanのケースと同様、多くの問い合わせがあったようです。おそらく「オプジーボ」をはじめとする、がんの免疫チェックポイント阻害剤に関しても似たような状況が起きているのではないでしょうか。

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