TCHOのチョコを抱えてレジに向かったところで、見慣れない光景が目に入ってきました。買い物客が列をなして並んでいる脇に、「INSTACART ONLY」というメッセージが掲げられたレジがあったのです。人は並んでいないものの、そのレジには購入した商品を詰めた紙袋が大量に置かれています。

 実はこれ、買い物代行サービス「Instacart」の専用レジだったのです(図4)。Instacartは、消費者がスマホのアプリやWebサイトで買い物の依頼をすると、スマホアプリで注文を受け取ったInstacartの契約スタッフ(一般人)がユーザーの代わりにお店で買い物をして、商品を消費者の自宅に1時間以内に届けてくれるサービスです。まさかInstacartの専用レジが存在するとは、「シェアリングエコノミー」の浸透ぶりに驚きました。

図4 Whole Foods MarketにあったInstacartの専用レジ
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 感心しながら店を出ると、1台のクルマが停まっていました。フロントガラスを覗くと、そこには「U」マークと「ピンクのLyft」マークのステッカーが2枚並んでいました。米Uber Technologies社と同Lyft社の配車サービスに対応しているクルマの印です。買い物帰りの客を待っているようでした。

 その脇を、黄色のタクシーが走って行きます。客は乗っていませんでした。「やっぱりそうなのか」。思わず声が漏れました。この黄色のタクシー、サンフランシスコ最大のタクシー会社である米Yellow Cab社のものなのですが、実は同社は2015年12月に破産を宣告していたのです。苦境の原因は、「Uber社やLyft社との競争の激化」(Yellow Cab社)です。