「来年のことを言うと鬼が笑う」という言葉、統計を取ったわけではないが、主に次の年が視野に入ってくる年の後半から年末にかけて使われる頻度が高くなってくるとの印象を私は持っているが、実際はどうなのだろうか。いずれにせよ、2016年はあと11カ月も残っているわけだが、今回は鬼に笑われることを覚悟の上で、来年、すなわち2017年にパソコン(PC)市場が若干、活気を取り戻すかもしれないという話をしようと思う。

 当コラムがテーマとするEMS(電子機器受託製造サービス)・ODM(Original Design Manufacturer)企業が主力製品とするPCでは2016年1月、有力調査会社による2015年の世界出荷統計が出揃った。タブレットとしても使える機種を統計に含むかどうかなどで各社の数字は若干異なるものの、米Gartner社は2億8800万台で前年比8%減、米IDC社は2億7621万6000台で同10.4%減と、いずれも市場の縮小を印象付ける数字となった。昨年夏は米Microsoft社が新OS「Windows 10」を発売したが、買い換え需要を喚起するには至らなかった。2015年のPC出荷台数世界上位5社のうち前年から台数を伸ばしたのは、OSにWindowsを採用しない米Apple社のみだったというのは、なんとも皮肉な話である。

 こうした中、台湾の調査会社DIGITIMES社の調査部門であるDIGITIMES Researchが2016年1月15日、2016~19年までのノートPC長期見通しを公表した。DIGITIMES社はまず2016年について、Windows 10への移行による買い換えが多少は期待できるものの、全体としては市場の縮小が止まらず、前年比2.6%減とマイナス成長が続くとの見方を示した。ところが2017年は1%増と、同社の統計では3.25%増を記録した2011年以来、実に6年ぶりにプラス成長を回復するとの見通しを示したのである。

 DIGITIMES社が2017年にPC市場の成長回復を牽引する根拠としているもの。それはVR(Virtual Reality、仮想現実)端末の普及に伴うeスポーツ用PCの拡大だ。

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