前回述べたように、エネルギーの需要と供給に関して大きな変化が想定される中、業界に質的な変化を促す4つの大きな潮流がある。それは「4つのD」、「Decarbonization(低炭素化」」「Decentralization(分散化)」「Deregulation(規制緩和)」「Digitalization(デジタル化)」である(図3)。

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図3 エネルギー・ビジネスに影響をもたらす4つのメガトレンド

Decarbonization:低炭素化

 温室効果ガスの排出により地球温暖化が叫ばれ、IPCC(International Panel of Climate Change)のレポートなどでその悪影響に対する警鐘が鳴らされて久しい。各国は、京都議定書や欧州の202020ターゲット設定に基づき目標を設定して低炭素化への取り組みを進めている。

 中国やアメリカといった排出大国が、京都議定書におけるペナルティーの強さ、先進国と新興国の間の不公平感などからCO2排出削減の枠組みに参加していなかったが、2015年末に採択されたパリ協定により、両国を含む初めての国際的な枠組みが合意に達した。

 2017年に入り米トランプ政権がパリ協定からの離脱を表明した。しかし、直後にカリフォルニア州知事が中国の習近平主席との会談で低炭素化をリードしていく意向を示した。また、ニューヨーク市長もC40 Climate Leadership Conferenceで温暖化防止に向けたアクションを取り続けることを宣言した。これらにみるように、州政府がイニシアティブを発揮する米国においては、エネルギー政策でも低炭素化の方向性は揺らがないと考えられる。

 こうした流れは企業レベルでも着実に広がりつつある。例えば、2014年には「RE100」というイニシアティブが発足した。これは事業運営を100%再生可能エネルギー(Renewable Energy)だけで行うことを目標に掲げた企業連合で、米Apple社をはじめ世界で100社近い企業が加盟している。今後さらに、カーボンニュートラルな原子力発電や再生可能エネルギーの導入拡大、火力発電の効率化、消費側の省エネルギーが進んでいくと考えられる。

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