記事一覧

チャレンジド・スポーツを支える人びと

パラ五輪、スタジアム“外”に隠れた課題

「外国人」そして「障害者」を、どのように迎え入れるか

2016/03/07 00:00

久我 智也

2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで、あと4年。国立競技場の建設問題など、大会を開催する上で不安視されることはまだまだ多くある。しかし、「課題は競技を行う場所だけにあるわけではない」ということを忘れてはならない。2015年10月に行われ、車いすバスケットボール(車いすバスケ)の男子日本代表が2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックの出場を決めた国際大会「三菱電機2015 IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」から、スタジアムやアリーナの“外”にある隠れた課題を探る。

大勢の車いすユーザーを迎え入れる際の課題

 IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉には、男女合わせて12の国と地域から、総勢173人の選手たちが参加した。

 8日間の滞在期間中、ほとんどの選手・スタッフは、会場となった千葉ポートアリーナ(千葉市)のすぐ横に併設されている「カンデオホテルズ千葉」に宿泊していた。会場へのアクセスも良く、選手やスタッフからは好評を得た環境であり、大会成功の要因の一つといえるだろう。

 ただし、ひと口に「宿泊する」と言っても、選手たちは言葉も文化も違う。そして何より、彼らは車いすユーザーである。2006年に施行された「バリアフリー新法*1」によって、客室数が50部屋以上のホテルには車いすユーザーが円滑に使用できる客室を用意する義務があるが、IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉のように100人以上の車いすユーザーがいるとなると、全員がバリアフリー化された部屋に泊まるというわけにはいかない。ではどうすべきか。それを探るために、大会で選手たちの宿泊・輸送を担ったJTBコーポレートセールスに話を聞いた。

「IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」では、スタッフも含めると200人以上の宿泊・輸送対応が必要とされた。
[画像のクリックで拡大表示]
*1 バリアフリー新法の正式名称は「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」。詳細は、国土交通省のサイトを参照。