国内工場でも海外工場でも、経営を担える人材をどれだけ育成できているかで、業績に大きな差が出る。後継者を育成できていないと企業の存続も難しくなる。とりわけ、海外出向者の役割として大切なことは、ローカル人材の育成だ。

 日本の生産年齢人口は減少しており、海外事業が拡大する中、出向者を増やそうにも出向できる人材の確保が難しい企業が増えている。経営の現地化を進めざるを得ない状況となっており、ローカル人材を育成できないと事業の拡大もままならなくなるのが実情だ。

経営の基本を理解してもらう

 本コラムで何度も繰り返し述べてきたが、経営推進の基本は、株主からの出資金や自ら生み出した資金や金融機関からの借入金などを使って新たなキャッシュを生み出すこと。つまり、事業を成長発展させていくことに他ならない。

 これら経営活動の実態を示しているのが、いわゆる財務3表だ。どのように資金を調達しそのお金をどのような資産に使っているかを示しているのが貸借対照表(B/S)。どれだけ利益を出せているかを示すのが損益計算書(P/L)。そして、これら事業活動によってお金の動きはどうなったかを示すのがキャッシュフロー計算書(C/F)である。

 幹部として工場経営の一翼を担うには、まずこれら財務3表を理解しておく必要がある。経営状況はこの財務3表に如実に表れるからだ。企業を存続発展させていくために必要なのは、現在の事業でキャッシュを生み出し、そのお金を次の発展に向けて投資することでさらにキャッシュを生み出すという成長サイクルを回すこと。営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローがマイナスだと、キャッシュが減り続けて、企業は倒産の道を歩むことになる。それを避けるには、どうすればキャッシュを増やせるかを理解していなければならない。

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