経営診断の際、最初に財務3表〔貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F)〕でその企業の経営状況を確認する。前回も述べたが、有効なお金の使い方ができているか、それによって新たなキャッシュを生み出せているかが確認のポイントだ。例えば、B/Sではお金の使い方という視点から、長期の滞留在庫や遊休設備にしてお金を遊ばせていないか、未回収の売掛債権はないかといった確認をする。

分散は問題を隠す

 ところが帳簿での確認とともに、資産の状況を現場・現物で確認しようとすると、「それは大変です」と渋られることがある。在庫や設備がバラバラに置かれているため、どこに何があるか帳簿を見ながら確認しなければならないというケースである。

 このような企業は、長期滞留在庫や遊休設備への意識が低いことが大半だ。現物を見てみると、「これでは使い物にならないじゃあないか」という設備や在庫に遭遇することもある。滞留資産もお金が物に形を換えたものであり、その物を購入するために調達したお金には金利などのコスト(資本コスト)がかかっている。滞留資産があるだけでコストがかかっているのだから、いかに早く資産をお金に換えるかが重要となる。

 そのためには、滞留資産が一目でわかり、誰がいつまでにお金に換えることになっているかを明確にすることが大切だ。この責任が不明確のままでは、誰も関心を持たず、そのまま放置されることになる。しかも、不要な資産は邪魔になるので裏部屋や隅に置かれがち。そうなると、さらに目につきにくくなり、放置され続けることにもなる。

 そのような状況を生み出さないためには、滞留資産や遊休設備に対して皆が常に意識できるような仕組みを作り、滞留資産の現金化を推進することが大切だ。そのために有効なのが、「1カ所に集める」ということだ。

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