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スポーツ、世界への突破力

創業12年で国際サッカー大会の公式球に、国内VBの挑戦

並み居る大手抑えて東アジアカップで採用、イミオ 倉林啓士郎氏(前編)

2016/11/22 00:00

上野 直彦

スフィーダが Fリーグの公式球に

―― 日本フットサルリーグ(Fリーグ)の公式球に選ばれたのはいつですか。

倉林 契約したのは2015年ですね。

―― 創業から十数年の新興メーカーがどうやって?

倉林 Fリーグには、2010年ごろから営業していました。当時はミカサが公式球でしたから「僕らも負けないくらい良いボールを作りますよ」と地道に営業をしていましたが、全く相手にしてもらえませんでした。ところが2014年、Fリーグのメインスポンサーが降りたタイミングで、Fリーグから急に話をいただいたんです。

 それまでも多くのボールを作ってきたので商品のクオリティーには自信を持っていました。もちろん、競技向けはしっかりとやりたいと考えていました。競技向けのボールは、協会などのお墨付きがないとなかなか売れません。フットサルコートと付き合いがありましたので認知度は結構高かったと思います。

 布石も1つ打っていました。2013年に英国の「mitre(マイター)」という老舗スポーツブランドの代理店を始めたのです。マイターは200年の歴史がある世界最古のサッカーボールブランド。サッカー協会やサッカーチームの上の方などは良く知っているブランドです。最初はFリーグからはマイターでどうですかと話をいただいたんですが「フットサルボールだったらスフィーダという弊社のオリジナルブランドもあります」と提案して、スフィーダが公式球として採用されることになったんです。公式球はリーグのスポンサーでもあるので、それなりに零細企業の僕らとしては大きい投資をしなくてはいけない。リスクはありました。でも、このタイミングでやらないとダメだと思って、やりますと即答したんです。

―― イミオ創業以来の潮目ですね。

倉林 その通りです。ただ、Fリーグもメインスポンサーの契約の切り替え時期を迎えて、各スポンサー企業がいなくなってしまったということもあって、このままだとリーグ存続の危機というタイミングで、僕らが最初にスポンサーとして即決したんです。

 自社だけでなく、ゼビオやチェリオコーポレーションという僕がよく知っている企業にもお願いをしてスポンサーについていただいたので、僕としても一緒に仕事がしやすい人たちとスポンサードすることができましたし、Fリーグやサッカー協会の皆さんからも感謝していただけました。

―― なるほど。では、次回は、いよいよ東アジアカップの公式球採用の経緯を教えてください。

(次回に続く)

(写真:福田 俊介)
上野 直彦(うえの・なおひこ)/スポーツライター
上野 直彦(うえの・なおひこ)/スポーツライター 兵庫県生まれ。ロンドン在住の時にサッカーのプレミアリーグ化に直面しスポーツビジネスの記事を書く。女子サッカーやJリーグを長期取材している。

『Number』『AERA』『ZONE』『VOICE』などで執筆。テレビ・ラジオ番組にも出演。経済アプリ・NewsPicksでの“ビジネスはJリーグを救えるか?”が好評連載中。

Twitterアカウントは @Nao_Ueno