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スポーツ、世界への突破力

世界の貧困問題解決へ、スポーツ庁とビル・ゲイツ氏の財団がSDGsで提携

2018/11/16 05:00

田島 進=日経 xTECH

 スポーツ庁があのビル・ゲイツ氏とコラボ――。2018年11月9日、スポーツ庁はスポーツを通じて世界の貧困や飢餓の問題を解決する活動のために、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下、ゲイツ財団)とパートナーシップを結んだと発表した。

 国連は2015年9月に、極度の貧国の撲滅、不平等・不公平との戦い、気候変動対策など17項目の「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」を掲げ、2030年までの達成を目指している。この活動の一環としてスポーツ庁は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせて、「アワー・グローバル・ゴールズ(Our Global Goals)」と呼ぶ独自のプロジェクトをスタートさせる。

左から、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長、文部科学省の浮島智子副大臣、ビル&メリンダ・ゲイツ財団のビル・ゲイツ共同議長、元女子マラソン日本代表の有森裕子氏
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 このプロジェクトは、国内外のアスリートに呼びかけて“アンバサダー”を引き受けてもらい、SDGsの一般市民向け広報活動に取り組んでもらおうというものだ。世界の貧困問題解決などで豊富な経験を持ち、自らもSDGsをサポートする「ゴールキーパーズ」キャンペーンを展開しているゲイツ財団は、この趣旨に賛同し、専門知識と資金を提供してこのプロジェクトを支援する。

 2008年7月に、共同創業した米マイクロソフトの経営とソフトウエア開発の第一線から退き、ゲイツ財団の活動に専念しているビル・ゲイツ氏は、「日本は世界4位の開発援助国(ドナー)であり、国際貢献の経験が深い。世界の三大感染症といわれるエイズ、結核、マラリアの撲滅を目指した“グローバルファンド”プロジェクトの生みの親としても知られている。世界には悲惨な状況が多くあるとはいえ、少しずつ前進している。かつて、世界の1/2の子供たちが貧困にあえいでいると言われたが、今は10%程度に減ってきた。1990年には5歳以下で死ぬ子供が1100万人もいたが、今では500万人に減ってきた。SDGsで掲げられている目標も、いずれ必ず達成されるだろう」と述べた。

ビル・ゲイツ氏。数日前には中国でトイレ問題について講演してきたばかり
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