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スポーツ、世界への突破力

「心のバリアフリー」を実現するために

ANA片野坂社長×パラリンピアン成田選手、特別対談(その2)

2016/09/05 00:00

上野 直彦

(写真:加藤 康、以下同)

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを中心に大型国際スポーツ大会が3年連続で開催される日本。それを契機にしたスポーツや文化の盛り上がりを加速すべく実現した、ANAホールディングス(以下、ANA) 代表取締役社長の片野坂真哉氏と、リオデジャネイロパラリンピック水泳女子日本代表の成田真由美選手の対談*1。今回は、その第2回をお届けする。

 文部科学省などが初めて開催するスポーツ、文化、そしてビジネスに関する国際会議「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」(以下、ワールド・フォーラム)。同フォーラムのパートナー企業であるANAの片野坂社長と、アンバサダー(大使)を務める成田選手に現在、様々なシーンでキーワードとなっている「インバウンド」と「ダイバーシティー」について語ってもらった。これからの企業や社会に求められているものは一体何であろうか。

(司会は、上野 直彦=スポーツライター)

*1 対談は、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックを控えた2016年7月に行われた。

ダイバーシティーを実現する社会

―― ANAは、ワールド・フォーラムの官民ワークショップの中でインバウンドをテーマにセッションを手掛けるそうですね。なぜ、インバウンドをテーマとして選んだのでしょうか。

片野坂 もともとインバウンドは、ここ数年の大きなキーワードになっています。観光が消費を生み出し、地方を元気にする。そして、日本政府も観光庁を中心に観光ビジョンを打ち出して、現状で2000万人規模の訪日外国人数を、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて2倍にしていく計画を発表しています。インバウンドは航空会社だけではなく、日本の大多数の産業にとって大きなテーマになると考えました。

 もう一つ、インバウンドという言葉でひとくくりになってしまいがちですが、実際は「性別」「国籍」「障害の有無」といった多様な方々に配慮した取り組みが必要となります。今回の官民ワークショップで取り上げるテーマでも、多様性を持った様々な人々、そしてアスリートのことも考えて、インバウンドをテーマとして選びました。

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